『まるごと 日本のことばと文化』の使い方―入門(A1)かつどう編―

『まるごと 日本のことばと文化』の使い方―入門(A1)りかい編―

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『まるごと 日本のことばと文化』は、日本語を使ったコミュニケーション活動に必要な力をつけることを目指すコースブックです。この動画は、『まるごと』を使った授業の様子を紹介するため、国際交流基金サンパウロ日本文化センターJF日本語講座の授業を撮影し、編集したものです。

この動画では、媒介語(ポルトガル語)を使って授業を進めています。『まるごと』が第一に想定しているのは日本国外の学習者であり、そこでは現地の教師が学習者の母語や媒介語を使うことが一般的だからです。『まるごと』は、大人が持つ認知能力を活かして学ぶように設計してあるため、より効果的な学習のために、授業の中で必要に応じて母語(または媒介語)を使うことも推奨しています。

また、『まるごと』は文型からではなく、場面から、つまり人間同士がどのようなコミュニケーションをしているのか考えることから入っていく教材ですので、場面をよりよく把握するために、教師に母語で質問したり、学習者同士で母語で話し合ったりすることも、場合によっては必要であると考えています。学習者の母語が多様な教室の場合や、教師がクラスの媒介語を使えない場合などは、その言語が話せる上級の学習者に手伝ってもらうなどの方法もあるでしょう。

しかし、日本語でできることまで母語や媒介語を使うのは望ましくありません。特に、学習者が自分のことを話す活動では、教師は日本語で質問と返事をすることが、より効果的な学習に繋がります。それぞれの現場の環境に合わせて、効果的な母語・媒介語の使用方法を考えることが大切です。